TOEIC Part 5:30問を10分で解く時間配分と、例題で見る解き方
概要
TOEICのPart 5(パート5)は、IIBCが短文穴埋め問題と呼ぶ形式で、問題数は30問です。1文に空所が1つ、選択肢が4つ並び、前後に文書はありません。リーディングセクション75分間・100問から逆算すると、1問あたり約20秒、30問全体で約10分が時間配分の目安になります。この20秒は公表されている時間と問題数から引いた計算値で、IIBCが示した数字ではありません。
Part 5(短文穴埋め問題)は何問出ますか
Part 5は30問です。リーディングセクションは75分間・100問で、Part 5はその先頭に置かれています。
1問の形は毎回同じです。多くは20語未満の英文が1つ、空所が1つ、選択肢がA〜Dの4つ。周りに文書はないので、答えの根拠は目の前の1文の中にしかありません。
Part 5だけのスコアは出ません。Part 6・Part 7と合算されて、リーディングセクションの5点から495点までの1つのスコアになります。5点刻みで合否はなく、誤答による減点もありません。
リーディングセクションの内訳は次のとおりです。
| パート | IIBCの正式名称 | 問題数 | セクション内の割合 |
|---|---|---|---|
| Part 5 | 短文穴埋め問題 | 30問 | 30% |
| Part 6 | 長文穴埋め問題 | 16問 | 16% |
| Part 7 | 読解 | 54問 | 54% |
セクション全体の配り方はリーディングの時間配分にまとめています。
Part 5は1問何秒で解けばいいですか
約20秒、30問で約10分です。ただしこの数字の出どころは先に断っておきます。IIBCはパートごとの時間を指定していないので、20秒も10分も、公表されている75分間・100問から逆算した計算値です。
逆算はこうなります。75分を100問で割ると1問平均45秒。ところがPart 7は54問あり、そのすべてに文書を読む時間が必要です。Part 5の30問を平均どおり45秒で解くと22分かかり、平均から浮かせられなかった12分は、そのままPart 7から引かれます。
パート別の目標時間はこうなります。
| パート | 問題数 | 目標時間 | 1問あたり |
|---|---|---|---|
| Part 5 | 30問 | 10分 | 15〜20秒 |
| Part 6 | 16問 | 8分 | 約30秒 |
| Part 7 | 54問 | 55分 | 約60秒 |
本番で守るルールは1つだけで足ります。1問に30秒かかったら、そこで切り上げてどれか1つをマークし、次に進むことです。誤答による減点はないので、空欄にしておく損と、間違える損は同じです。
例題で見るPart 5の解き方
手順は、英文を読むことから始まりません。先に選択肢4つを見て問題タイプを決め、それから空所の周りだけを読みます。次の4問はタイプが1問ずつ違い、そのために目を置く場所も、かかる時間も変わります。
以下はTOEIC.aiが公開されている出題形式にならって作成した例題です。ETSの過去問でも公式教材でもありません。
例題1|品詞問題
The renovation of the east wing was completed ------- ahead of schedule.
(A) considerable (B) consideration (C) considerably (D) consider
正解は(C)。選択肢が同じ語幹の4つの形なので、この時点で品詞問題と決まります。空所はahead of scheduleを修飾する位置なので、入るのは副詞だけです。文の意味は使っていません。約10秒。
例題2|動詞の形
Since the merger was announced in March, the company ------- three new distribution centers.
(A) opens (B) opened (C) has opened (D) will open
正解は(C)。同じ動詞の別の形が並んだら、探すのは時を示す目印です。Sinceとin Marchがそれで、3月から今までの継続を表す形が要ります。全文を理解する必要はありません。約15秒。
例題3|接続詞と前置詞
The assembly line will remain idle ------- the replacement parts arrive.
(A) until (B) during (C) despite (D) instead of
正解は(A)。空所の後ろがthe replacement parts arriveという節なので、名詞句しか取れない3つがその場で消えます。2つの節の関係を考えるのは、選択肢が2つに絞れてからです。約15秒。
例題4|語彙問題
Please ------- the attached invoice and confirm the total amount by Friday.
(A) review (B) remind (C) reply (D) remain
正解は(A)。4つとも実在する動詞で、どれを入れても文法上は成立します。ここだけは問題文意を読み、invoiceと組み合わせて自然な語を選びます。約25秒。
4問のうち3問は、空所の前後だけを見て決まりました。時間を食ったのは4問目のタイプだけです。30問の中でこの配分ができるかどうかが、10分と20分の差になります。
全文を読まずに解ける問題と、読まないと解けない問題
Part 5の30問は、空所の前後だけで決まる問題と、文意を読まないと決まらない問題の2つに分かれます。日本語のPart 5対策で「全文を読まずに解ける問題」と呼ばれているのが前者です。
前者の代表が品詞問題です。作業は品詞判別だけで、空所の位置を見て、その位置が求めている品詞を決め、語尾がそれに合う選択肢を選びます。英文の内容は最後まで読まなくて済みます。
後者の代表が語彙問題です。選択肢の4語がどれも実在し、どれを入れても文法上は通るので、意味と組み合わせでしか切れません。
速く解いている受験者は、速く読んでいるわけではありません。読む範囲を先に決めています。その判断は選択肢の並びで付きます。
- 同じ語幹の4つの形が並んでいる。品詞問題なので、空所の前後2語から3語だけを見ます
- 同じ動詞の時制や態が並んでいる。文中の時を表す語を1つ探すか、主語がするのかされるのかを1回だけ判断します
- 意味の違う4語が並んでいる。ここは文意を読みます。時間をかけていいのはこのタイプです
語尾から品詞を見分ける表や、時制ごとの目印はTOEICの文法のほうに整理してあります。
Part 5にはどんな問題タイプがありますか
出るタイプは7つで、どれも選択肢4つを見た時点で決まります。タイプごとに、決め手と目標秒数は次のように変わります。
| 問題タイプ | 選択肢の見た目 | 何で決まるか | 目標秒数 |
|---|---|---|---|
| 品詞問題(語形) | 同じ語幹の4つの形 | 空所の位置 | 10〜15秒 |
| 動詞の時制 | 同じ動詞の別の時制 | 文中の時を表す語 | 15〜20秒 |
| 態(能動と受動) | 同じ動詞の能動形と受動形 | 主語がするのか、されるのか | 15秒 |
| 前置詞 | 短い機能語が4つ | 決まった組み合わせ | 15秒 |
| 接続詞・つなぎ言葉 | 節を取る語と名詞句を取る語が混在 | 空所の後ろの形、2つの節の関係 | 15〜20秒 |
| 代名詞・数量詞 | 格や数だけが違う | 数、人称、可算か不可算か | 15秒 |
| 語彙問題 | 意味の違う4語 | 問題文意と組み合わせ | 20〜30秒 |
出題傾向は回をまたいでほぼ同じです。だからタイプの見分けは、才能ではなく類題反復で伸びる部分になります。
Part 5は何割取れば足りますか
公式の「何割」は存在しません。採点は正解数そのもの(素点、Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)による換算点(Scaled Score)で出されるからです。IIBCは正答数とスコアの対応表を公表していないので、「Part 5で何問取れば何点」は誰にも計算できません。
代わりに使える目安は自分の記録のほうにあります。30問中いくつ落としたかを回ごとに数え、それをタイプ別に仕分けます。数の推移は、割合よりも読み取れることが多くなります。
公式の数字としては、公式認定証に載るAbilities Measured(項目別正答率)が唯一の材料です。項目別の正答率が出るので、対策が効いたかどうかを体感ではなく数字で確かめられます。
何点から「すごい」のかという問いも、Part 5の側からは答えられません。IIBCが2026年9月3日時点で公表していた回の平均はトータル598.1点(リスニング331.8点、リーディング266.3点)で、同じ回で795点以上は上位およそ14%でした。スコア帯ごとの意味はTOEICスコアの目安で扱っています。
Part 5の練習問題や問題集はどこで手に入りますか
先に前提を1つ。公開された過去問は存在しません。日本語で「TOEIC 過去問」と検索したときにGoogleが最初に出す質問が「TOEICの過去問はなぜないのでしょうか」で、答えは、使用済みの問題をETSが公開しないからです。過去問という名前で流通しているものは、実際には別の4種類です。
実際に手に入るのは次の4種類になります。
- 公式問題集。ETSが本番と同じ工程で作った問題で、公式教材の中では本番にいちばん近い材料です
- サンプル問題。IIBCがサイトで公開している数問で、形式を確かめる用途に向きます
- 予想問題・市販の問題集。出版社が出題形式にならって作ったもので、Part 5だけを大量に解く教材はここに入ります
- 模擬試験。本番と同じ制限時間で通すもので、時間配分を測れるのはこの形式だけです
TOEIC.aiの練習問題も4種類目にあたります。公開されている出題形式にならってTOEIC.aiチームが作成したもので、ETSの公式教材でも過去問でもありません。無料の模擬試験なら、Part 5の30問を制限時間つきで通せます。なおアプリの画面表示は英語のみで、日本語なのはこのガイドのほうです。
Part 5の対策は何から始めますか
文法の参考書の1ページ目からではなく、時間を計った30問からです。
理由は、Part 5の本当の問題が正答率に出ないからです。時間を計らずに解けば、遅い受験者も正解します。遅さが表に出るのは40分後、Part 7の解き終わらなかった設問としてで、そこまで来ると原因がPart 5にあったことは分かりません。
この後の5つが、対策を回す順番です。30問10分の型、間違いの見直し方、どのタイプから潰すか、文法をどこまでやるか、そしてPart 6・Part 7との関係です。
30問を10分で解く練習はどう回しますか
30問を1セットにして10分の制限時間で解き、答え合わせはセットを全部終えてから一度だけにします。1問ずつ答えを見ながら進めると正答率は上がって見えますが、肝心の時計の問題が完全に隠れます。
苦手なタイプが分かったら、そこだけを10問単位の区間練習で回します。ただし必ず混ざったセットに戻します。タイプが分かった状態で解くのは本番より易しく、見分ける力は混ざった状態でしか測れません。無料の模擬試験なら、この通し練習を制限時間つきでできます。
間違いはどう見直せばいいですか
1問ずつではなく、問題タイプ別にまとめて見直します。6問の誤答を個別に振り返れば6個の事実が残るだけですが、タイプ別に並べ直すと「6問中4問が品詞問題だった」という穴が見えます。
エラーノートも同じ作り方にします。英文を書き写す必要はなく、タイプ名、正解を決めた根拠、自分が見ていた場所の3つを1行で書けば足ります。直訳してから選ぶ癖が残っていると、この記録は同じタイプにばかり並びます。
どのタイプから潰すのが速いですか
品詞問題からです。全文を読まずに解けるうえ、単独では数もいちばん多いタイプになります。品詞判別が自動化すると、30問のうち10秒で終わる問題が増え、その余りがそのまま語彙問題に回ります。
逆に語彙問題から手をつけると、覚える語数に終わりがないので、いつ終わるのかが計算できません。順番を先に決めておくと、同じ勉強時間でも結果が変わります。手順の中身はTOEICの文法対策にあります。
文法はどこまでやれば足りますか
Part 5とPart 6が出す文法項目は約10項目に閉じていて、高校基礎レベルを一通り戻せば、文法問題で落とす理由はほぼなくなります。範囲が閉じている領域なので、学習スケジュールの前半に置くと実際に終わります。
しかも効く範囲が広く、Part 5の30問とPart 6の16問、合わせて46問が同じ勉強でまかなえます。項目ごとの整理はTOEICの文法、勉強計画全体の組み立てはTOEICの勉強法にまとめてあります。
Part 6・Part 7とはどう違いますか
違いは、手がかりになる文脈の量です。Part 5は1文だけを渡し、Part 6(長文穴埋め問題)は同じ文法事項を短い文書の中で問い、Part 7(読解)は文書そのものを読ませて内容を問います。問題数は30問、16問、54問です。
Part 5とPart 6は文法の範囲がほぼ重なるので、勉強が二重に効きます。Part 7は別の作業で、Part 5を速くする目的の半分は、54問ある読解に時間を残すことにあります。読み方はリーディングの時間配分で扱っています。
よくある質問
TOEIC Part 5は何問ですか。
30問です。リーディングセクション75分間・100問のうちの30問で、残りはPart 6が16問、Part 7が54問です。IIBCの正式名称は短文穴埋め問題です。
Part 5は1問何秒で解けばいいですか。
約20秒、30問で約10分が目安です。ただしIIBCはパートごとの時間を指定していないので、この数字は75分間・100問から逆算した計算値です。1問に30秒かかったら切り上げます。
Part 5は何割取れば大丈夫ですか。
公式の基準はありません。採点は素点ではなくスコアの同一化(Equating)による換算点で、IIBCは正答数とスコアの対応表を公表していません。30問中いくつ落としたかを回ごとに数えるほうが目安になります。
10分では終わりません。どこから直せばいいですか。
選択肢を先に見て問題タイプを決めるところからです。品詞問題は空所の前後2語から3語だけで決まるので、全文を読んでいる限り時間は縮みません。誤答による減点はないので、迷った問題はマークして進みます。
Part 5の過去問はどこで手に入りますか。
公開された過去問は存在しません。手に入るのは公式問題集、IIBCのサンプル問題、市販の予想問題、そして模擬試験の4種類です。TOEIC.aiの練習問題も出題形式にならってTOEIC.aiチームが作成したもので、ETSの公式教材ではありません。
Part 5とPart 6は何が違いますか。
文脈の量です。Part 5は1文の中で文法と語彙を問い、Part 6は同じ文法事項を短い文書の中で問います。問題数は30問と16問で、文法の範囲はほぼ重なります。