TOEICとは:読み方、問題形式、公開テストとIPテストの違い
概要
TOEICは、ETSが開発し日本ではIIBCが実施する、職場や日常生活での英語コミュニケーション能力を測るテストです。読み方は「トーイック」、正式名称はTest of English for International Communication、日本語では国際コミュニケーション英語能力テストといいます。いちばん多く受けられているTOEIC L&Rは約2時間・200問、スコアは10点から990点です。2024年度は、個人で申し込む公開テストより、大学や企業が実施するIPテストの受験者が多くなっています。
TOEICとは何を測るテストですか
TOEICは、英語を母語としない人が、職場や日常生活でどれだけ英語で意思疎通できるかを測るテストです。開発しているのは、アメリカの非営利のテスト開発機関ETS(Educational Testing Service)です。日本国内での実施と運営は、IIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)が担っています。
出題の素材は職場から取られています。Eメール、社内の通知、会議のやりとり、請求書、短い報告書といったものが並び、大学の講義や文学作品の一節は出てきません。TOEICが見ているのは英語能力の総量ではなく、その場で聞き取り、読み取って処理できるかどうかです。コミュニケーション能力という言い方をIIBCが使うのは、この範囲を指しているからです。
最初につまずきやすいところがもう一点あります。「TOEIC」は1つの試験の名前ではなく、複数のテストをまとめたTOEIC Programの総称です。設問はすべて英文で、英文和訳や和文英訳の設問はありません。
名前の近いテストとは、測っている場面が違います。学術英語を測るTOEFLとの線引きはTOEICとTOEFLの比較にまとめています。国内で広く使われる英検との線引きはTOEICと英検の比較にあります。英検とTOEICを公式に対応づける換算表は存在しないので、比較は段階の話として読むことになります。
TOEICの読み方と正式名称は何ですか
TOEICの読み方は「トーイック」、正式名称はTest of English for International Communicationです。4語の頭字語で、直訳すれば「国際コミュニケーションのための英語テスト」になります。
日本語の正式な名称は国際コミュニケーション英語能力テストです。日本語版Wikipediaの項目もこの名前で立っています。検索窓には「トイック」と打たれることもありますが、書くときはTOEICとアルファベットで書くのが一般的です。
L&R、S&Wという略記もよく出てきます。L&RはListening & Reading、S&WはSpeaking & Writingで、どちらも測る技能の頭文字を並べたものです。
TOEICにはどんな種類がありますか
TOEICの種類は、測る技能で分ければ複数のテスト、受け方で分ければ公開テストとIPテストの2つの受験制度です。「TOEICを受ける」と言うとき、ほぼ全員が最初の1つ、TOEIC L&Rを指しています。
| テスト | 測る技能 | スコア |
|---|---|---|
| TOEIC Listening & Reading Test | 聞く・読む | 10〜990点 |
| TOEIC Bridge Tests | 4技能(初級から中級) | 独自の尺度 |
TOEIC S&Wは、話す部分が約20分・11問、書く部分が約60分・8問です。Speakingだけを受けるTOEIC Speakingの公開テストもあります。世界共通の同じ形式で実施される点はL&Rと変わらず、違うのは話す・書くという産出側の技能を見ていることです。Speaking & Writingの中身は別のページにまとめています。
TOEIC BridgeにはTOEIC Bridge L&RとTOEIC Bridge S&Wがあり、どちらも初級から中級の学習者向けで、独自の尺度でスコアが出ます。L&Rの10点から990点には換算されません。ここが両者を選ぶときの分かれ目になります。TOEIC Bridgeの位置づけもあわせて読めます。
もう1つの分け方が受験制度です。個人が申し込む公開テストと、企業や大学などの団体が実施するIPテストがあり、IPテストのオンライン方式ではL&RのほかにBridge L&R、S&W、Bridge S&Wも実施されています。
両者で違うのは、申込の方法と受験料、そして受け取る書類です。L&Rの受験料は公開テストが7,810円(紙の公式認定証を希望しない場合は7,700円)、IPテストが4,230円です。IPテストで受け取るのは公開テストの公式認定証ではなく、マークシート方式ならスコアレポート、オンライン方式ならテスト結果です。詳しくは後半の「公開テストとIPテストは何が違いますか」で見ます。
問題形式もテストごとに別々です。いちばん多く受けられているL&Rは次の節で全体像を示し、パートごとの問題形式は専用のページにまとめています。
TOEICとTOEIC L&Rの違いは何ですか
TOEICとTOEIC L&Rの違いは、名前が指す範囲です。TOEICはTOEIC Program全体の総称で、TOEIC L&Rはその中で聞く・読むを測る1つのテストです。単に「TOEICのスコア」と言うときは、ほぼTOEIC L&Rの10〜990点を指しています。応募書類ではS&Wと区別がつくように、TOEIC L&Rと書くのが確実です。
TOEIC L&Rの問題形式はどうなっていますか
TOEIC L&Rは、約2時間・200問のマークシート方式です。リスニングセクションが約45分間・100問、リーディングセクションが75分間・100問で、あいだに休憩はありません。
7つのパートの名前と問題数は、IIBCが次のように公表しています。
| セクション | パート | 出題形式 | 問題数 |
|---|---|---|---|
| リスニング | Part 1 | 写真描写問題 | 6問 |
| リスニング | Part 2 | 応答問題 | 25問 |
| リスニング | Part 3 | 会話問題 | 39問 |
| リスニング | Part 4 | 説明文問題 | 30問 |
| リーディング | Part 5 | 短文穴埋め問題 | 30問 |
| リーディング | Part 6 | 長文穴埋め問題 | 16問 |
| リーディング | Part 7 | 読解(1つの文書 29問/複数の文書 25問) | 54問 |
問題数の偏りが、そのまま学習の配分を決めます。Part 1は6問、Part 7は54問で、9倍の差があります。パートの順に均等な時間をかけると、いちばん重い読解に時間が残りません。
音声は1度しか流れず、聞き直しはできません。問題形式は毎回同じなので、形式に慣れること自体が得点になります。7つのパートの詳しい歩き方とリーディングの時間配分は、それぞれ専用のページにあります。
公開テストとIPテストは何が違いますか
公開テストは個人が申し込んで受ける受験制度、IPテスト(団体特別受験制度)は企業や大学などの団体が、所属する社員や学生を対象に実施する受験制度です。2024年度の受験者数は公開テストが735,425人、IPテストが1,041,495人で、IPテストのほうが多く受けられています。受験料、オンライン方式の有無、受け取る書類の違いはTOEIC IPテストとはにまとめています。
TOEICのスコアはどのように出ますか
スコアは、リスニングが5〜495点、リーディングが5〜495点、トータルが10〜990点の5点刻みで出ます。合格・不合格の判定はありません。
出るのは正解数そのもの(素点)ではなく、スコアの同一化(Equating)による換算点です。回ごとの難易度の差を吸収するための変換なので、同じ正解数でも回によってスコアは動きます。誤答による減点はないため、迷った設問も空欄にしないほうが得になります。
- リスニングとリーディングは別々に出るので、2つの差がそのまま弱点を指します。
- 5点刻みなので、797点や802点というスコアは存在しません。
- 合格点はなく、基準を決めるのはスコアを読む側の組織です。
IIBCが公表している2026年9月5日(午前)実施回の平均スコアは626.5で、内訳はリスニング342.7、リーディング283.9でした。リスニングのほうが約60点高いのは、その人の偏りではなく全体の傾向です。自分の差がこれより開いているときだけ、それは自分側の偏りだと読めます。何点あれば評価されるのかという目安は、TOEICスコアの読み方にまとめています。
TOEICの難易度はどのくらいですか
TOEICの難易度は、合否ではなく目標スコアで決まります。合格点がないので、難しいかどうかは、狙う点数が受験者全体のどこにあるかで読みます。
IIBCが公表している2026年9月5日実施回の数字は次のとおりです。
| 実施回 | 受験者数 | トータルの平均 | 695点以上 | 795点以上 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年9月5日(午前) | 17,265人 | 626.5点 | 上位36.9% | 上位17.9% |
| 2026年9月5日(午後) | 12,958人 | 611.5点 | 上位34.0% | 上位17.0% |
セクション別では、どちらの回もリーディングの平均がリスニングより低く出ています。回ごとの問題の難しさの差はスコアの同一化で調整されるので、「今回は難しかった」という感想があっても、スコアの尺度は回をまたいで変わりません。点数帯ごとの位置づけはTOEICの平均点にまとめています。
TOEICはどうやって受験しますか
公開テストはTOEIC申込サイトで個人が申し込みます。IPテストは所属する団体が実施を決めるものなので、個人では申し込めません。大学や勤務先から案内が来たなら、それがIPテストです。
公開テストで先に知っておきたいのは、申込の間隔です。申込受付期間が始まるのは試験日の約3か月前、申込締切は約6週間前の15:00で、締切は多くの人が思っているより早く来ます。
- 受験料は7,810円、紙の公式認定証の発行を希望しない場合は7,700円です。学割はありません。割引の条件はTOEICの受験料にまとめています。
- 学生にとって安いのは、大学が実施するIPテストの4,230円のほうです。
- 申込後の日時変更、受験者の変更、受験料の返金はいずれもできません。
結果は試験日から17日後にインターネットで表示されます。日程の決まり方は年間日程と申込の間隔に、本番と同じ形式で解いておきたい場合は無料の模擬試験にまとめています。
TOEIC.aiの練習問題は、公開されている出題形式にならってTOEIC.aiチームが作成したもので、ETSの公式教材ではありません。アプリの画面表示は英語のみで、日本語で読めるのはガイド記事です。
TOEICを受けるメリットは何ですか
TOEICを受けるメリットは、英語力を自己申告ではなく、同じ尺度の数字で示せることです。そのスコアが使われるのは、採用、昇進、海外赴任、大学の単位認定といった場面です。
英語ができるという申告は誰でも履歴書に書けますが、書いた人どうしを比べることはできません。同じ形式のテストで出た数字なら比べられます。転職の応募条件にスコアが並ぶのも、社内の昇進要件に点数が書かれるのも、比較の道具として使われているからです。
ただし正直な限界があります。L&Rが測るのは聞く・読むの2技能で、話せることの証明にはなりません。話す力の証拠が要る場面では、企業はSpeaking & Writingを併用します。
以下では、履歴書への書き方、企業での使われ方、大学での使われ方、スコアの有効期間の順に見ていきます。
TOEICのスコアは履歴書に書けますか
はい、書けます。取得年月・テスト名・スコアを書き、TOEIC L&RとS&Wのどちらなのかを明記するのが基本で、書き方の例と添える書類はTOEICの履歴書への書き方にまとめています。
企業はTOEICのスコアを何に使いますか
企業がスコアを見るのは、採用の応募条件、昇進の要件、海外赴任の選考、研修のクラス分けといった場面です。必要な点数を決めるのは各社で、IIBCやETSではありません。
日本でIPテストの受験者が多い理由も、ここにあります。昇進の要件や研修の区分けに使うために、企業や大学が団体としてまとめて実施するのがこの制度だからです。個人が申し込む公開テストより、人数が積み上がります。
合格点はIIBCもETSも公表していないので、同じ750点が1社の基準スコアを満たし、別の1社では足りないということが起こります。800点がどう評価されるかを、基準スコアの実例として読めます。
大学ではTOEICはどう使われますか
大学では、単位認定、年次進級要件、卒業要件、交換留学の応募条件といった形で使われます。そしてその多くは、大学自身が実施するIPテストで測られています。
大学が求める水準はCEFRの段階で示されることがあります。TOEIC L&Rの側から見ると、B2の目安は785点です。段階ごとの対応はCEFRとの対応にまとめています。
「600点だと大学のレベルはどのくらいか」という形で調べる人は多いのですが、その答えはテストの側では決まりません。基準を公表しているのは、受け取る大学のほうです。
TOEICのスコアはいつまで有効ですか
ETSはスコアの有効期間を2年と設定しています。ただし2年より古いスコアを受け付けるかどうかを決めるのは、スコアを読む側の組織です。
2年でスコアそのものが消えるわけではありません。消えるのは紙の証明を取り直す手段のほうで、公式認定証の再発行は試験日から2年以内に限られます。期限が2つとも2年で揃っているので、3年前のスコアは書けても裏づけを出し直せない、という状態が起こります。
再受験の回数に上限はありません。受けた回ごとに別のスコアが出るので、どの結果を出すかは本人が選べます。最新スコアを求められる場面があるなら、公式認定証の再発行より受け直すほうが早いこともあります。
よくある質問
TOEICとはどんなテストですか?
ETSが開発し日本ではIIBCが実施する、職場や日常生活での英語コミュニケーション能力を測るテストです。出題の素材はEメールや通知など職場のもので、設問はすべて英文です。英文和訳や和文英訳の設問はありません。
TOEICの読み方は何ですか?
「トーイック」と読みます。正式名称はTest of English for International Communication、日本語では国際コミュニケーション英語能力テストです。
TOEICは何問で何時間かかりますか?
TOEIC L&Rは200問で、約2時間です。リスニングセクションが約45分間・100問、リーディングセクションが75分間・100問で、7つのパートに分かれています。
TOEICとTOEIC L&Rの違いは何ですか?
TOEICはTOEIC Program全体の総称で、TOEIC L&Rはその中の聞く・読むを測るテストです。単に「TOEICのスコア」と言うときは、ほぼTOEIC L&Rの10〜990点を指します。
公開テストとIPテストはどちらが多く受けられていますか?
2024年度はIPテストが1,041,495人、公開テストが735,425人で、IPテストのほうが多く受けられています。受け取る書類も、公開テストは公式認定証、IPテストはスコアレポート(個人成績表)、オンライン方式なら「テスト結果」と別です。
TOEICで何点取れたらすごいですか?
IIBCが公表している2026年9月5日(午前)実施回の分布では、795点以上が上位17.9%、695点以上が上位36.9%でした。同じ回のトータルの平均は626.5点です。
TOEICと英検の違いは何ですか?
実施している団体が違います。英検(実用英語技能検定)は日本英語検定協会、TOEICはETSが開発しIIBCが実施しています。両者を公式に対応づける換算表は存在しないので、比べるならCEFRの段階を挟むことになります。
TOEICのスコアは履歴書に書けますか?
書けます。取得年月、テスト名、スコアの3つを書き、TOEIC L&RとS&Wのどちらなのかを明記します。裏づけの書類は、公開テストなら公式認定証、IPテストならスコアレポート(個人成績表)、オンライン方式なら「テスト結果」です。