TOEICとIELTSの換算:公式の対応表はない。CEFRで読み替える方法と、英検との違い

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TOEICとIELTSの比較。主な違いを解説します。

概要

TOEICとIELTSを直接つなぐ公式の換算表は、ETSにもIELTSを運営する側にもありません。共通の物差しになるのは、両者がそれぞれ公表しているCEFRの対照表だけです。CEFRのB2はTOEIC Listening & Readingの総合785点以上で(ETS・IIBC)、IELTS側の目安は5.5〜6.5です。ただし、これを横に並べて読むのは公表元のない非公式な読み替えになります。日本で実際に比べられているのはIELTSより英検で、こちらとの公式な対応表もありません。

TOEICとIELTSのスコアは換算できますか

直接換算する公式の対応表はありません。 ETSも、IELTSを運営するブリティッシュ・カウンシル、IDP、ケンブリッジ大学出版評価機構も、相手のスコアへの換算表を公表していません。

橋渡しになるものは1つだけです。両者はそれぞれ自前のCEFR(セファール)対照表を公表しているので、レベルという単位でなら突き合わせられます。下の表のTOEIC列はETSとIIBCの対照表から、IELTS列はIELTSを運営する側の対照表から取っています。

レベルの単位で並べると、2つの試験は次のように重なります。

CEFRレベルTOEIC L&R 総合スコアIELTSのバンド
C1945〜990点7.0〜8.0
B2785〜940点5.5〜6.5
B1550〜780点4.0〜5.0

読み方には注意が要ります。縦の列にはそれぞれ公表元がありますが、横に読む行為には公表元がありません。この表は、本稿が2つの公式対照表を並べただけの非公式の参考です。IELTSのバンドは0.5刻みで、1つのバンドがTOEICの数十点分を覆います。点と点を結ぶことはできず、この表が渡せるのはレベルという単位の目安だけです。

上下にも限界があります。TOEIC側はA2が225点以上、A1が120点以上(IIBC)で、下の帯にも対応があります。一方でC2に対応するTOEICスコアはありません。990点を取ってもC1が上限なので、C2の行がある換算表は、その行を自分で作っています。レベルごとの意味とセクション別の最低点はTOEICスコアとCEFRの対照表にまとめています。

2026年9月に日本語の換算表ページを読み比べたときのことも書いておきます。換算が非公式だと書いていたのは1本だけで、残りは注記なしで表を出していました。文部科学省の対照表を根拠として挙げながら、精度についての注記を持たないページもあります。

TOEICとIELTSは何が違いますか

出発点は測る技能の数と、答え方です。TOEIC Listening & Reading(TOEIC L&R)が測るのは聞く・読むの2技能で、解答はすべてマークシート方式です。IELTSは聞く・読む・書く・話すの4技能を1回で測り、最後に試験官との面接があります。

6つの軸で並べると、2つの試験の位置が分かれます。

項目TOEIC L&RIELTS
目的職場の英語。採用・配置・昇進進学と移住の英語。大学と入国管理
技能聞く・読むの2技能聞く・読む・書く・話すの4技能
形式約2時間・200問のマークシート方式記述2題と11〜14分の面接を含む
スコア10〜990点の5点刻み0〜9のバンド、0.5刻み
採点機械採点。人の採点者は入らないライティングとスピーキングは人が採点
種類L&R、S&W、Bridgeアカデミックとジェネラル・トレーニング

内訳も並べておきます。IELTSはリスニング30分・40問、リーディング60分・40問、ライティング60分・2題、スピーキング11〜14分で、4つが等しい重みで総合バンドになります。TOEIC L&Rはリスニングセクションが約45分間・100問、リーディングセクションが75分間・100問で、合計は約2時間・200問です(IIBC)。

話す力と書く力をTOEICで示したい場合は、TOEIC Speaking & Writing(TOEIC S&W)という別のテストに申し込むことになります。L&Rのスコアには、書いた英語も話した英語も1問分として含まれていません。この一点が、このあとの判断すべてに効いてきます。詳しくは話す・書くのテストTOEICの出題形式にあります。

日本で比べられているのは、TOEICと英検です

2026年9月に日本語の検索語を調べたところ、TOEICとIELTSの換算を調べる人より、TOEICと英検(実用英語技能検定)の換算や比較を調べる人のほうが多く、その差は2倍以上ありました。日本で実際に並べて見られている試験は、IELTSではなく英検です。

理由ははっきりしています。IELTSが必要になるのは海外の大学に出願する人と移住の手続きに進む人だけですが、英検は中学や高校で受け、大学入試でも使われます。TOEICを初めて受ける人の多くは、英検の級をすでに持っています。

そして英検とTOEICの間にも、公式な対応表はありません。英検を実施しているのは公益財団法人 日本英語検定協会で、IIBCでもETSでもありません。どちらの団体も相手への換算を公表していないので、本稿も英検の換算表は置きません。

このあとの3つで、何が違うのか、換算できるのか、就職と進学でどちらを出すのかを順に扱います。

TOEICと英検は何が違いますか

返ってくるものが違います。 TOEICは合否のない10〜990点のスコアで、英検は級ごとの合否です。

測る技能の数も違います。英検は級ごとに読む・聞く・書く・話すの4技能をまとめて測ります。TOEIC L&Rが測るのは聞く・読むの2技能で、話す・書くはTOEIC S&Wという別のテストになります。

出題の材料も分かれます。TOEICに出るのは契約、日程、請求、出張といった職場の英文で、英検は学校教育の範囲に沿って級が上がります。同じ英語力でも、慣れている材料のほうで点は出やすくなります。

項目TOEIC L&R英検(実用英語技能検定)
実施団体IIBC(問題作成はETS)公益財団法人 日本英語検定協会
結果10〜990点のスコア。合否なし級ごとの合否
測る技能聞く・読む読む・聞く・書く・話す
受け方同じテストを何度でも級を選んで申込
相互の対応表公表されていない公表されていない

初級者向けのTOEIC Bridgeと英検の間にも、同じ理由で対応表は存在しません。

TOEICと英検のスコアは換算できますか

いいえ、級とスコアを対応させる公式の表はありません。日本英語検定協会も、IIBCも、ETSも公表していません。

作れない理由は構造にあります。片方は級ごとの合否で、もう片方は5点刻みの連続したスコアです。合否の境目を点に置き換える根拠が、どこからも公表されていません。

ネット上にある対応表は、事業者や個人が経験から作った推定です。使える代わりは1つで、両方が別々にCEFR対照表を公表しているので、レベルの単位でなら突き合わせられます。TOEIC側はB2が785点以上(ETS・IIBC)です。英検の級とCEFRの対応は日本英語検定協会が公表しているので、そちらの数値を確認してください。本稿では英検側の数値を扱いません。

実務上の結論は単純です。提出先が級を指定しているなら、その級を取りに行くことになります。換算値を書いても、書類の段階で通りません。

就職や進学ではどちらを出しますか

提出先が名前を書いているほうです。 就活と転職で名前が挙がるのはほぼTOEICのスコアで、英検は高校や大学の入試、単位認定の側で使われることが多くなります。

規模も数字で見えます。2024年度の受験者数は、公開テストが735,425人、団体特別受験制度(IPテスト)が1,041,495人でした(IIBC)。合わせて年間177万人が受けていて、団体で受ける人のほうが多いのが日本の特徴です。

返ってくる書類も違います。公開テストで発行されるのは公式認定証、IPテストで返るのはスコアレポート(個人成績表)です。

出す場面ごとに、求められる証拠の形が変わります。

  • 日本の就職・転職:TOEIC L&Rのスコア。履歴書の資格欄も点数で書く前提になっています
  • 大学入試・単位認定:英検の級かTOEICのスコア。要項がどちらを指定しているかで決まります
  • 海外の大学・移住の手続き:IELTS。TOEICも英検も代わりにはなりません
  • 話せる証拠が要るとき:TOEIC S&Wか英検の面接。L&Rのスコアからは示せません

点数がどのくらいの水準を指すのかは、TOEICスコアの目安で扱っています。

TOEICとIELTSはどちらを受けるべきですか

提出先が名前を書いているほうを受けます。 用途が分かれているので、自分で選べる場面はそもそも多くありません。

指定が無いときの目安は用途です。働くために英語を示すならTOEIC、留学や移住の手続きに使うならIELTSになります。提出先が数字を書いているなら、その数字がそのまま目標スコアです。

代替が効かない理由も1つだけです。TOEIC L&Rのスコアには書く力と話す力の証拠が含まれないので、記述と面接を要件にしている提出先は、これを読み替えられません。話す力の証明だけが必要なら、IELTSに移るよりTOEIC S&Wを足すほうが早く済みます。

提出先の種類で、受けるテストはほぼ決まります。

  • 採用・昇進・社内の英語基準:TOEIC。10〜990点をそのまま読む提出先が多くなります
  • 海外赴任で話す力も見られる:TOEICにSpeaking & Writingを足す。L&Rだけでは足りません
  • 留学で海外の大学に出願する:IELTS アカデミック。職場向けの試験は受け付けられません
  • 移住や永住の申請:IELTS ジェネラル・トレーニング。有効期間が厳密に見られます

どちらを受けるにしても、学習の組み立てはTOEICの勉強法から始められます。

TOEICとIELTSはどちらが難しいですか

多くの人にとってはIELTSのほうが重いテストです。4技能を1回で測り、記述2題と試験官との面接が入ります。

負荷の中身は2つです。1つは、書く・話すという出す側の力を求められること。もう1つは、面接が台本どおりに進まないことで、試験官は受験者の答えに合わせて質問を変えます。

TOEICの負荷は速さの側にあります。リーディングセクションは75分間で100問です(IIBC)。IIBCが2026年9月3日時点で公表していた回の平均スコアは、総合598.1点、リスニング331.8点、リーディング266.3点でした。リーディングがリスニングより約65点低いのが日本の受験者の平均像で、多くの人が落としているのは読解力より時間配分の側だとわかります。

だから、難易度の目安は受ける人の型で変わります。読む速度が遅い人は、40問に60分あるIELTSのほうが相対的に楽になることがあります。時間を計った無料の模擬試験を1回通せば、自分がどちらの型かは数字で出ます。

有効期間と受験料はどう違いますか

どちらも2年で扱われますが、根拠が違います。TOEIC側はETSがスコアの有効期限を2年と設定している(IIBC)という公表があります。IELTS側の2年は入国管理や大学という受け取る側の運用で、こちらのほうが厳密に見られます。

TOEIC側には、知っておく価値のある実務が1つあります。スコアそのものが消えるわけではありませんが、公式認定証の再発行ができるのは試験日から2年以内で、2年を過ぎると再発行そのものができません(IIBC)。書類が届くまでの日程はTOEICの結果と公式認定証にまとめています。

受験料は、公開テストが7,810円(税込、紙の公式認定証の発行を希望する場合)、希望しない場合が7,700円です。大学や企業が実施するIPテストは4,230円で、学割はありません(IIBC)。

IELTSの日本での受験料は、本稿の調査では確認できていないので数字を置きません。運営団体が公表している金額を確認してください。高くなる理由だけは書けます。ライティングとスピーキングを人が採点するぶん、機械採点のTOEICより処理に費用がかかります。

項目TOEIC L&RIELTS
有効期間ETSが2年と設定(IIBC)受け取る側が2年で運用。入国管理は厳密
受験料7,810円/7,700円。IPテストは4,230円(IIBC)本稿では未確認。運営団体の公表額を確認
採点機械採点記述と面接は人が採点

よくある質問

TOEICとIELTSのスコアは換算できますか

公式の対応表はありません。ETSもIELTSを運営する側も、相手への換算表を公表していません。共通の物差しはCEFRだけで、レベルの単位でなら突き合わせられます。

TOEIC 800点はIELTSでどのくらいですか

公式な換算はありません。CEFRを経由すると800点はB2にあたり(785点以上がB2、ETS・IIBC)、IELTS側でB2に対応するのは5.5〜6.5の帯です。これは2つの対照表を並べただけの、非公式な読み替えです。

TOEICと英検の換算表はありますか

ありません。英検を実施しているのは公益財団法人 日本英語検定協会で、IIBCでもETSでもなく、どちらも相互の換算を公表していません。級とCEFRの対応は日本英語検定協会が公表しているので、そちらを確認してください。

TOEICとIELTSはどちらが難しいですか

多くの人にはIELTSです。4技能を1回で測り、記述2題と面接が入ります。TOEICの難しさは速さの側にあり、リーディングセクションは75分間で100問です。

留学にTOEICのスコアは使えますか

海外の大学がIELTSを指定している場合、TOEICのスコアは代わりになりません。書く力と話す力の証拠がL&Rの結果に含まれないためです。指定された試験を受けることになります。

IELTSとTOEICの有効期間は同じですか

どちらも2年で扱われますが、根拠が違います。TOEICはETSが有効期限を2年と設定していて(IIBC)、IELTSの2年は入国管理や大学の運用です。後者のほうが厳密に見られます。

英検とTOEICはどちらを先に受けるべきですか

提出先が指定しているほうです。指定が無ければ、就職や転職で使うならTOEIC、高校や大学の入試で使うなら英検が先になります。両方を換算で置き換えることはできません。