TOEICとTOEFLのスコア換算:公式の換算表はなく、比較できるのはCEFR経由だけ
概要
TOEICとTOEFLのスコアを直接読み替える公式の換算表は、公表されていません。ETSは両方のテストを作っていますが、根拠になるのは各テストが公表しているCEFRとの対照表だけです。TOEIC Listening & ReadingはCEFRの段階をセクションごとの最低点で示していて、B2ならリスニング400点以上かつリーディング385点以上(合計785点)です。TOEFL側は実施元の対照表で同じ段階を確認して突き合わせます。ウェブ上の換算表の多くは、この経由を省いた非公式の目安です。
TOEICとTOEFLのスコアは換算できますか
公式な換算はできません。 ETSは、TOEICとTOEFLのスコアを結ぶ換算表を公表していないからです。
できるのは、CEFRという共通のものさしを一度経由することです。CEFRは外国語の運用能力を6段階で示す指標で、TOEICもTOEFLも、自分のテストのスコアがどの段階にあたるかをそれぞれ公表しています。だから同じ段階どうしなら並べられます。
TOEFLと比べる場面で使う3段階を、ETSの研究をもとにIIBCが公表している対照表から抜き出します。IIBCが示しているのはセクションごとの最低点で、合計の列は2つを足した数字です。
| CEFRレベル | リスニング | リーディング | 2つの合計 | その段階の英語力 |
|---|---|---|---|---|
| C1 | 490点以上 | 455点以上 | 945点 | 速い議論の中で含みや語調まで拾える |
| B2 | 400点以上 | 385点以上 | 785点 | 支援なしで英語の業務を回せる |
| B1 | 275点以上 | 275点以上 | 550点 | 身近な話題ならついていける |
段階はセクションごとに決まります。合計が785点を超えていても、リーディングが385点に届いていなければB2にはなりません。
手順は決まっています。まず提出先が求める段階を確かめ、次にその段階に対応するスコアを、各テストの実施元が公表している対照表で確認します。TOEIC側の数値がこの表にあたり、TOEFL側は実施元の対照表を見ます。
ただし段階が同じでも、スコアの意味まで同じになるわけではありません。TOEICが測るのは聞く・読むの2技能で、TOEFLは話す・書くを含みます。同じB2でも、証明できる範囲が違います。
TOEFLとTOEICの違いは何ですか
測っている場面が違います。 TOEFLとTOEICの違いは、TOEICが仕事で使う英語を、TOEFLが大学で学ぶための英語を測るところにあります。IIBCはTOEIC L&Rを「日常生活やグローバルビジネスで活きる“英語で聞く・読む能力”を測定するテスト」と説明しています。
混同されるのは、どちらもETSが作っているからです。日本でTOEICを実施しているのは、一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)です。
TOEIC Listening & Readingは、リスニングセクションが約45分間・100問、リーディングセクションが75分間・100問で、合計約2時間・200問です。設問はすべてマークシート方式で、スコアは10〜990点の5点刻み、合否はありません。素材は仕事の場面から採られていて、メールや通知を読み、会議や構内アナウンスを聞きます。
2つのテストを、答え方と提出先まで並べます。
| 項目 | TOEIC L&R | TOEFL iBT |
|---|---|---|
| 測るもの | 仕事の場面で使う英語 | 大学で学ぶための英語 |
| 測る技能 | 聞く・読む | 聞く・読む・話す・書くの4技能 |
| 出題の材料 | メール、通知、請求書、会議や構内アナウンス | 講義、学術的な文章、大学生の会話 |
| 答え方 | すべてマークシート方式 | 選択式に加えて、録音による発話と作文 |
| 主な提出先 | 企業の採用・昇進・配属 | 大学・大学院の出願と学生ビザ |
この表にTOEFLのスコア尺度の行がないのは、確認できる一次情報を持っていないからです。日本語の解説記事には、2026年の新形式を6点満点として説明しているものもあります。当サイトはTOEFLの実施団体ではないので、確かめられない数字は書きません。
ウェブ上のTOEICとTOEFLの換算表はどこまで信用できますか
表の出所と注記を確かめてから使ってください。 2026年9月5日に日本語の換算表ページを読み比べたところ、自分の載せた表を非公式と明記していたのは1件だけでした。
その1件は、TOEFL対策サイトがnote.comに出している記事です。見出しに「非公式、日本・神田外語学院提供」と書き、表のそばに「あくまで参考用」という注意書きを添えています。ETSがTOEICとTOEFLのスコア間の公式な換算表を提供していないことも、本文で明記していました。
残りは違いました。CEFR、IELTS、TOEFL、TOEIC、英検を1枚に並べた換算表を出していながら、近似であるとも非公式であるとも書いていません。文部科学省やETSを根拠として挙げながら、精度についての注記がないページもありました。
換算表を見つけたときに確かめる点は2つです。
- 誰が作った表なのか、出所が書いてあるかどうか。
- 参考値であることが、表のそばに書いてあるかどうか。
このページに直接の点数換算表を置いていないのも、同じ理由です。根拠として示せる一次情報がない以上、作れば注記のない表が1つ増えるだけになります。学習の目安として使う分には問題ありませんが、提出先に出す数字にはなりません。
TOEFL ITPとTOEICのスコアは換算できますか
TOEFL ITPとTOEICの換算も、公式の表はありません。 TOEFL ITPはETSが作る団体向けのテストで、大学などの機関が自分たちで実施します。
ETSの説明では、TOEFL ITP Level 1とLevel 2が測るのは、聞く・読むの理解に加えて、文法と語法の問題(Structure and Written Expression)です。用途は英語プログラムのクラス分けや学習の進み具合の確認などで、ETSは、TOEFL iBTの代わりに使うテストではないと説明しています。
TOEICと比べるときの手順は、TOEFL iBTの場合と同じです。ITPのスコアがCEFRのどの段階にあたるかを実施元の資料で確かめ、上の対照表のTOEIC側の最低点と並べます。学内選考などでITPのスコアを求められたら、TOEICで代えられるかどうかは、その募集要項で確認します。
TOEICとTOEFLはどちらが難しいですか
難しさの種類が違うので、一方が上とは言えません。 TOEFLは技能の数が、TOEICは時間が壁になります。
TOEFL側の重さは、聞く・読む・話す・書くの4技能を学術的な素材で測るところから来ています。選択肢を選ぶだけでなく、録音に向かって話し、答案を打ち込む必要もあります。
TOEIC側の壁は時間配分です。リーディングセクションは75分間で100問なので、1問あたり45秒になります。この45秒はIIBCが公表している時間と問題数から計算した数字で、IIBCが目安として示している数字ではありません。
平均点にも出ています。IIBCが公表している2026年9月5日(午前)実施回の平均は、リスニング342.7点、リーディング283.9点、トータル626.5点でした。リーディングがリスニングより約60点低いのが、日本の受験者の平均像です。語彙や文法だけの問題なら、リスニングも同じように落ちるはずです。
TOEICとTOEFLのどちらを受けるべきですか
提出先が名前を挙げているほうを受けます。 換算値を添えても、指定された試験のスコアの代わりにはなりません。
指定がない場合は、行き先で決めます。仕事に使うならTOEIC、大学や大学院への出願と学生ビザならTOEFLです。
日本で数が多いのはTOEICのほうです。2024年度のTOEIC Listening & Readingの受験者数は、公開テストが735,425人、IPテストが1,041,495人で、合計1,776,920人でした。企業や大学が団体で実施しているぶんのほうが多いことになります。
費用はTOEIC側だけ書きます。公開テストの受験料は7,810円で、紙の公式認定証の発行を希望しない場合は7,700円です。学割はありません。TOEFLの受験料は当サイトで確認していないので、実施元が公表している額を見てください。
留学にTOEICのスコアは使えますか
留学先の出願要項にTOEICの名前があれば使えます。名前がなければ使えません。 留学で提出する英語のスコアは、受け入れ先が試験名と点数で指定するからです。
TOEICが測るのは聞く・読むの2技能で、大学で学ぶための英語を4技能で測るTOEFLとは場面も範囲も違います。要項にTOEFLやIELTSしか書かれていない場合は、TOEICのスコアに換算値を添えても代わりにはなりません。
要項がCEFRの段階で書かれている場合は、このページの対照表にあるセクション別の最低点と、自分のリスニング・リーディングのスコアを突き合わせます。
換算表が使えないときは何を確認すればいいですか
確認するのは、提出先の要項が指定している試験名と段階からです。 要項が「CEFR B2以上」のようにレベルで書かれているのか、試験名とスコアで書かれているのかで、次にやることが変わります。換算は、その条件と自分のスコアを突き合わせる作業にあたります。
突き合わせに必要なのは、次の4つです。
- 指定された段階が、TOEICでは何点にあたるか。
- 自分のスコアが、日本の受験者の中でどのあたりか。
- 話す・書く力の証明を求められているかどうか。
- IELTSや英検を指定された場合にどうなるか。
提出先が指定した段階は、TOEICで何点にあたりますか
「B2以上」と書かれていれば、TOEIC Listening & Readingのリスニング400点以上とリーディング385点以上の両方が必要です。
総合スコアだけでは判断できません。CEFRの各レベルはセクション別の最低点で決まるので、内訳が偏っていると、合計が785点を超えていてもB2に届きません。日本の受験者はリーディングが低く出やすいので、先に落ちるのはそちら側です。
A1とA2を含む全体の対照表はTOEICとCEFRの対照表にまとめています。
自分のTOEICスコアは日本の受験者の中でどのあたりですか
IIBCが公表している2026年9月5日(午前)実施回(受験者17,265人)の平均は、トータル626.5点でした。600点台前半が真ん中だと考えて構いません。
同じ回では、795点以上が上位およそ18%でした。B2の2つの最低点を足した785点は、日本の受験者の中では上位の入口にあたります。
平均は回ごとに動くので、目安として読む数字です。スコア帯ごとの意味はTOEICスコアの目安で説明しています。
話す・書く力はTOEICで証明できますか
TOEIC Listening & Readingでは証明できません。測っているのは聞く・読むの2技能だけです。
話す・書くを測るのはTOEIC Speaking & Writingという別のテストで、申し込みも別になります。TOEFLは1回の受験で4技能を測るので、この点は組み立てが違います。
提出先がTOEICのスコアを読む相手なら、TOEFLに乗り換えるより、同じ物差しの上でSpeaking & Writingのテストを足すほうが伝わります。
IELTSや英検との換算はどうなっていますか
同じで、公式な換算表はありません。英検(実用英語技能検定)を実施しているのは公益財団法人 日本英語検定協会で、IIBCでもETSでもありません。
異なる団体の試験どうしを直接つなぐ対応は、どちらの側からも公表されていません。IELTSも同じです。比較できるのは、各試験が公表しているCEFRの段階を経由したときだけになります。
考え方はTOEFLの場合と変わらないので、TOEICとIELTSの比較も同じ形で書いています。
よくある質問
TOEICとTOEFLの換算表はありますか
公式な換算表はありません。ETSはTOEICとTOEFLのスコアを直接結ぶ対応表を公表していないので、比較できるのは各テストが公表しているCEFRとの対照表を経由したときだけです。
TOEIC 800点はTOEFLで何点ですか
対応する点数は公表されていません。TOEIC 800点は、リスニング400点以上・リーディング385点以上という内訳ならCEFRのB2にあたります。TOEFL側もB2に対応するスコアを実施元の対照表で確認して突き合わせます。
TOEICとTOEFLはどちらが難しいですか
難しさの種類が違います。TOEFLは聞く・読む・話す・書くの4技能を学術的な素材で測り、TOEICはリーディングセクション75分間で100問を解く時間配分が壁になります。
TOEICとTOEFLはどちらを受けるべきですか
提出先が名前を挙げているほうです。指定がなければ、仕事に使うならTOEIC、大学や大学院への出願と学生ビザならTOEFLになります。
TOEFLの代わりにTOEICのスコアを提出できますか
提出先がTOEFLを指定している場合はできません。換算値を添えても、指定された試験のスコアの代わりにはならないからです。
TOEICとTOEFLは同じ団体が作っているのですか
どちらもETSが作成しています。日本でTOEICを実施しているのは一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)です。
ウェブ上の換算表は使ってはいけないのですか
学習の目安として使う分には問題ありません。ただし表の出所と、参考値である旨の注記があるかを確かめてください。提出先に出す数字にはなりません。