TOEICの単語帳:公式教材と市販本の違い、目標スコア帯別の選び方、単語の覚え方

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TOEIC頻出単語リストで対策を固めます。

概要

TOEICの単語対策は、公式の単語帳と市販の単語帳を区別するところから始まります。よく名前の挙がる『金のフレーズ』は朝日新聞出版から出ている市販の単語集で、IIBCやETSの公式教材ではありません。公式の単語帳は、公式TOEIC Listening & Reading 英単語(2026年1月発売)と公式ボキャブラリーブック(2019年6月発売)の2冊だけです。どの1冊を選ぶかは目標スコア帯で決まり、覚え方は語単体ではなく組み合わせごと覚えます。

TOEICの公式単語帳はどれですか?

公式の単語帳は、公式TOEIC Listening & Reading 英単語と公式ボキャブラリーブックの2冊です。発行はIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)で、収録語はETSが実際のテストと同じプロセスで作成した問題に基づく頻出単語です。

単語帳と公式問題集は別の教材です。公式TOEIC Listening & Reading 問題集は12まで出ており、最新の12は2025年10月発売です。問題集を1冊持っていても、単語帳の役割は埋まりません。

公式の単語帳は次の2冊です。

書名発売収録語数発行
公式TOEIC Listening & Reading 英単語2026年1月厳選1,800語IIBC
TOEIC Listening & Reading 公式ボキャブラリーブック2019年6月頻出1,000語IIBC

単語帳を紹介する記事の多くは、2019年の公式ボキャブラリーブックまでしか載せていません。2026年1月に出た公式英単語は、まだ紹介記事に反映されていないことが多く、最新の公式教材を探しているなら先にこちらを見るほうが速く終わります。

なお、本サイトはこれらの書籍を販売していません。どこで買うかではなく、どれが公式でどれがそうでないかだけを扱います。

『金のフレーズ』は公式教材ですか?

いいえ、『金のフレーズ』は公式教材ではありません。正式名称は『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』、著者はTEX加藤氏、出版社は朝日新聞出版です。IIBCやETSが作った本ではありません。

これは使うなという意味ではありません。市販の単語集として最も売れている1冊で、内容を否定する材料はどこにもありません。公式かどうかと、売れているかどうかと、自分に合うかどうかは、別々に判断する話だという意味です。検索では「金フレ」と略されますが、書名は『金のフレーズ』です。

最初の1冊として選ぶかどうかは、別の問題になります。同書を紹介する記事は「金フレに収録されている英単語の7割は中級レベルです」と書いています。500点前後から始める人が最初に開くと、7割が知らない語という状態になります。最初の1冊を選ぶときは、この比率が目安になります。

同じシリーズには『銀のフレーズ』があり、こちらが入門側に置かれています。500点前後から始めるなら、順番は銀のフレーズが先です。

目標スコア帯別に単語帳はどう選びますか?

今のスコアと目標スコアの点差で決めます。収録語数の多さは基準になりません。1,500語の本を3周するより、800語の本を最後まで回して覚え切るほうが、本番で使える語は増えます。2冊目に進むのは、1冊目の復習が終わってからです。

以下のレベルの目安は、各書のタイトルと収録語数、そして市販の紹介記事の分類によるもので、IIBCが定めた区分ではありません。目安として読んでください。

主な単語帳を、出版社と公式かどうかを並べて整理します。

書名出版社公式・市販レベルの目安
カナヘイの小動物 ゆるっと おぼえる TOEIC L&Rテスト英単語Jリサーチ出版市販500点前後
TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ朝日新聞出版市販500点前後
イラストで覚えるTOEIC L&R TEST 英単語1000Jリサーチ出版市販500点前後
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ朝日新聞出版市販600〜860点
TOEIC L&R TEST英単語スピードマスターJリサーチ出版市販600〜860点
TOEIC L&Rテスト英単語ターゲット1100旺文社市販600〜860点
キクタンTOEIC L&Rテスト SCORE 990アルク市販860点以上
会話で覚える TOEIC L&Rテスト 上級英単語1500東進ブックス市販860点以上
英英英単語 TOEIC L&Rテスト スコア990ジャパンタイムズ出版市販860点以上
関正生の TOEIC L&Rテスト 神単語ジャパンタイムズ出版市販レベルを問わず
公式TOEIC Listening & Reading 英単語IIBC公式レベルを問わず
TOEIC Listening & Reading 公式ボキャブラリーブックIIBC公式レベルを問わず

市販の紹介記事が「おすすめ11選」として並べる本のうち、公式は1冊だけです。残りの10冊は出版社も編集方針もばらばらの市販書で、その比率がそのまま単語帳の市場の姿になっています。公式が優れているという話ではなく、棚に並んでいる本の大半は公式ではない、という前提を持っておくと選びやすくなります。

TOEICの単語は何語覚えれば足りますか?

250〜300の組み合わせで語彙問題の大半は取れ、実用上の上限はおよそ1,000項目です。

この数字はIIBCが公表しているものではなく、本ガイドの目安です。ETSは出題語の頻度を公開していないので、どの単語集の収録語数も、突き詰めれば編集部の判断にあたります。公式の単語帳が厳選1,800語と頻出1,000語で線を引いているのも、頻出単語をどこで切るかという同じ判断の結果です。

785点、CEFRでいうB2を目標スコアに置くなら、テーマごとに整理された250項目前後で語彙問題は足ります。ここから先に必要なのは語数ではなく、読む速さです。

900点を超えると事情が変わります。残りの失点が長文の中の出現頻度の低い語に移るので、1,000項目の幅と、それを止まらずに読める読解スピードの両方が要ります。それでも2,000語のリストに手を出すと、かかる時間は倍になって動く点数は数問です。

TOEICにはどんな単語が出ますか?

出るのは職場で使う英語だけです。社内文書、会議、日程、発注、出張、人事、経理の言葉で、学術英語や文学の語彙は範囲の外にあります。辞書で難語とされる語より、事務職や管理職が毎日見る平易な語のほうが、はるかに多く出ます。

語彙問題として直接問われるのは、短文穴埋め問題(Part 5、30問)、長文穴埋め問題(Part 6、16問)、読解(Part 7、54問)です。リスニングセクションの会話問題(39問)と説明文問題(30問)でも間接的に効きます。出荷の遅れを扱う会話は、物流の語を知らないままでは追えません。

出題される場面は次の8つにほぼ収まります。

  • 社内文書とメール。attach a file、forward a memo、submit a report のような動詞と目的語の組み合わせで、長文穴埋め問題の題材になるメールを埋めています。
  • 会議と日程。set an agenda、reschedule a meeting、meet a deadline。日付と時刻の言い換えは、会話問題の設問がほぼ毎回どこかで使います。
  • 請求と経費。issue an invoice、exceed a budget、settle an account。請求書とそれに触れたメールを組み合わせた設問で、必ず出てきます。
  • 採用と人事。post a vacancy、screen a candidate、extend an offer。求人の告知や福利厚生の案内は、読解の1文書目に置かれやすい形式です。
  • 発注と物流。place an order、track a shipment、clear customs。配送の遅延を知らせる通知は、リスニングとリーディングの両方で繰り返し使われます。
  • 出張と宿泊。book a flight、confirm a reservation、check into a hotel。旅程表と確認メールの組み合わせは、読解の定番の1つです。
  • 販売と顧客対応。launch a campaign、handle a complaint、process a refund。苦情への返信は、長文穴埋め問題で使われる文書としてよく出ます。
  • 社内システムとIT。install an update、back up a file、reset a password。短いシステム通知の音声は、説明文問題で流れます。

単語帳はどう使えば覚えられますか?

語を単体ではなく、組み合わせ(コロケーション)ごと覚えます。TOEICには、語の意味を答えさせる設問が1問もありません。選択肢に並ぶ4つはどれも実在するビジネス英語の語なので、覚えるべき単位は語ではなく、語と語の相性です。

二面カードで覚えると、意味の再生だけが鍛えられます。英語を見て日本語が出てくる状態は、試験が測る判断とは別のもので、そこで止まると本番で選択肢を絞り込めません。

1周のうちに次の6手を回します。

  • フレーズで記録する。「deadline」ではなく「meet a tight deadline」と書きます。動詞と形容詞の入る位置がそのまま残り、短文穴埋め問題が狙うのはその位置です。
  • テーマごとにまとめる。新しい語を書き留めるときに、請求、出張、採用のどれかに分類します。1語思い出すと同じ場面の隣の語がついてきますし、苦手分野がどの場面に固まっているかも見えます。
  • 空所補充で復習する。覚えた文の当該語を空所にして、文ごと書き戻します。フレーズ全体が見えているカードは、分かった気にはさせますが、何も証明しません。
  • 間隔を空けて復習する。翌日、3日後、1週間後と間隔を広げます。正解が続けば間隔をさらに広げ、1回間違えたら初日に戻します。
  • 時間を測った演習の中で再会させる。復習した語を30問10分の演習に混ぜます。本番の時間配分に近い条件で当てられるまで、覚えたことにはなりません。
  • 音声で入れ直す。スキマ時間に音声を流し、頻出単語ほど文字と音を結び直します。単語帳を選ぶときは、収録語数より音声があるかどうかを先に見ます。

単語力はスコアのどこに効きますか?

単語は語彙問題に直接、読解スピードに間接的に効きます。点差が大きいのは後者です。

直接の効き方は数えられます。Part 5とPart 6の語彙問題は、選択肢の4つがすべて実在する語で、文法的にもすべて成立します。だから品詞や時制のように規則で切り落とすことができず、相手の語を知っているかどうかだけで決まります。誤答による減点はないので、絞り切れなくても必ず1つマークします。

間接の効き方はもっと大きく、しかも見えにくいところに出ます。知らない語が数語混じるだけで文章を追う速度が落ち、その遅れは75分の制限時間の終盤、複数の文書を並べたセットで表面化します。単語の問題は、最後には時間配分の問題として表に出ます。リーディングで時間切れになる人は、解いた設問の語彙が足りなかったわけではありません。手前の文章を読む速さが足りず、最後の設問にたどり着けなかっただけです。

単語帳と公式問題集はどちらを先に始めますか?

先に始めるのは公式問題集です。200問を1回通しで解くまで、どのパートで語彙が足りていないのかが数で見えません。

語彙の不足は、リーディング全体の失点として現れることもあれば、会話問題だけに固まることもあります。どちらなのかで選ぶ単語帳が変わります。単語帳は苦手分野が特定できてから、その穴に合わせて1冊選びます。教材の順番と学習スケジュールの組み方はTOEICの勉強法にまとめています。

Part 5の語彙問題はどう解きますか?

空所の前後にある相手の語から決めます。短文穴埋め問題のうち品詞問題なら語形だけで答えが出ますが、語彙問題では4つとも文法的に成立するので、その近道が使えません。

罠はたいてい近い意味の語です。返金は issue するもので grant するものではない、という相性を知らないと、意味が合っている選択肢を2つまで絞ったところで止まります。問題タイプごとの解き方と1問あたりの時間はPart 5の解き方で扱っています。

長文が最後まで読み切れないのは単語のせいですか?

単語だけが原因であることは多くありません。リーディングセクションは75分という制限時間に100問で、読解だけで54問あります。

見分け方は決まっています。語彙が原因なら失点は設問全体に散らばり、時間が原因なら失点は最後のセットに固まります。時間を測らずに解き直して正答数が戻るなら、足りないのは語ではなく読解スピードです。75分の配分の決め方はリーディングの時間配分で詳しく扱っています。

聞き取れない単語はどう覚え直しますか?

音声つきの単語帳で入れ直します。文字だけで覚えた語は、読めば分かるのに音になると取れません。リスニングセクションの音声は一度しか流れないので、一度聞き逃すと戻る時間はそもそもありません。頻出単語ほど、音で入れ直しておく価値があります。

音声にはアメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの話者が混ざります。1種類の音源だけで覚えると、その偏りがそのまま失点になります。聞き取りの練習そのものはTOEICのリスニング対策にまとめています。

800点を目指すとき単語はどこまで必要ですか?

目標スコアが800点なら、変えるのは覚える量ではなく思い出す速さです。700点台の失点は読解の未到達に集中しやすく、知らない語が原因である場合はむしろ少数なので、スコアアップの余地は語数の外側に残っています。

素点はスコアの同一化(Equating)によって換算されるため、800点に必要な正答数は回ごとに変わります。単語を増やす前に、時間内にたどり着けていない設問が何問あるかを数えてください。必要な正答数と勉強時間の目安はTOEIC800点のレベルにまとめています。

単語帳だけでスコアは上がりますか?

途中までは上がり、ある地点で止まります。単語帳で埋まるのは語彙問題の失点で、約2時間・200問を通す体力と時間配分は、本番形式で解く以外に身につけようがありません。

本サイトの練習問題は、TOEIC.aiチームが公開されている出題形式にならって作成したものです。ETSの公式教材でも過去問でもなく、画面表示は英語のみです。本番と同じ条件で通して解く練習は無料の模擬試験から始められます。

何点から「すごい」と言われますか?

直近の回の平均スコアはトータル598.1点です。内訳はリスニング331.8点、リーディング266.3点で、リーディング側に伸びしろが残っている受験者が多いことが分かります。

基準は提出先で変わるので、ここでは平均とスコア分布を目安として置くにとどめます。点数ごとの意味はTOEICスコアの目安で扱っています。

よくある質問

TOEICの単語帳は公式のものを選ぶべきですか?

必須ではありません。公式の2冊はETSが実際のテストと同じプロセスで作成した問題に基づいていますが、市販の単語集でも、音声と組み合わせの例文があれば同じ働きをします。

『金のフレーズ』は公式教材ですか?

いいえ。『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』はTEX加藤氏の著書で、朝日新聞出版から出ている市販の単語集です。IIBCやETSの公式教材ではありません。

TOEICの単語は何語覚えれば足りますか?

テーマごとに整理された250〜300の組み合わせで、語彙問題の大半は取れます。1,000項目を超えると効果は落ちます。必要量は目標スコアで変わるので、この数字は目安です。

初心者はどの単語帳から始めればいいですか?

500点前後から始めるなら『銀のフレーズ』のような入門側の1冊です。『金のフレーズ』は収録語の7割が中級レベルとされており、最初の1冊には向きません。

単語帳は何冊使えばいいですか?

1冊です。1冊を最後まで回して覚え切ってから、目標スコアが上がった時点で次の1冊に進みます。並行して2冊開くと、どちらも途中で止まります。

単語アプリだけでTOEIC対策はできますか?

スキマ時間の反復には向きますが、75分を通して読む速さと時間配分は身につきません。2週に1回はフル模試を挟んで、通しの条件で測り直してください。